こんにちは、四万十町地域おこし協力隊、勝秀鍛冶屋見習いの菊池です。
「松の炭焼」の記事で書いたように、勝秀鍛冶屋では松炭が必要不可欠です。
しかし四万十町で炭を焼ける人が少くなくなり、そのうちいなくなってしまうかもしれません。そうなると焼き入れ用の炭を他の地域から買うことになりできる限り、
「Made In 四万十町」
にこだわりたいので炭焼も勉強しています。
作業を思い出しながら手順を書いてみたいと思います。
ちなみに炭焼の師匠は85歳のベテランの職人。炭焼を「趣味で焼いているだけだ」とクールに語る小柄ながらパワフル師匠です。
左が炭焼師匠、右が鍛冶屋師匠。合わせて163歳!二人ともチェーンソー!
松を窯に入る大きさに切ります。
切った松を窯にパズルのように隙間なく詰めていきます。
窯の中に入っての作業になりますので大柄な私はかなり作業性が悪いです。
ピッタリ入って鍛冶屋師匠もご満悦。
レンガと赤土で蓋をしていきます。
それから扉を付けて素灰で煙が逃げないように完全密閉。
この頃、焚口で火を焚きます。空気の流れを考えて窯が作られているため火が窯の中に吸い込まれていきます。
しばらくすると煙突から煙が出てきます。中の木が燃え始めました。
もうもうと煙が出るまで火を焚き、窯の温度を上げていきます。
さらに時間が経つと火を焚かなくても煙が出つづけるようになります。それから24時間程煙が出なくなるまで待ちます。もちろん離れていても大丈夫です。
煙が止まる間際になると煙の色が青に変わります。
そして止まります。
それから煙突を外して蓋をし、焚口も閉じて完全に酸素を遮断します。
ここでしっかり遮断しないと中で燃え続け炭ではなく灰になってしまうそうです。
全ての蓋をしてから一週間待ちます。このタイミングが早いとまた燃えだしてしまうそうです。
しっかり一週間時間を置いて開けてみると、
炭が出来ています!
師匠いわく「今回は上出来。」だそうです。何十年やってきてもうまくいかない時もあるそうです。どの世界もそうですが難しいから面白いのだと思います。
素晴らしい炭が八俵も出来ました。
炭焼をするときは毎度呼んでもらうことを約束してもらいました。
鍛冶屋の技術はもちろんですが、炭焼の技術も勉強をし習得をして自分の為、後世の為にしっかりと伝えていきたいと思います。
※勝秀鍛冶屋での松炭の販売はいたしません。ですがお困りの際はご相談ください。炭焼職人をご紹介いたします。
勝秀鍛冶屋
〒786-0504
高知県高岡郡四万十町十川233-2
TEL 088-028-5429