勝秀鍛冶屋見習いと、その嫁

高知県四万十町で鍛冶屋の見習いになった。嫁は狩猟や炭焼きを始めた。

イノシシ捕ったど~(猟師先生が)

こんにちは、四万十町地域おこし協力隊、勝秀鍛冶屋見習いの菊池です。

 

今回は嫁の話をします。

実は嫁は前から猟師になりたいと言っていて、罠の免許のほかに狩猟の第一種免許(散弾銃が使用できる)があります。高知に移住してからは「高知の山はどんな感じなのか知りたい~歩きたい~」と言っていました。そこで念願かなって、知り合いを通じて猟師の先生を紹介してもらい山を歩き回ったそうです。

待ち合わせ場所は猟師先生の家。車の運転はペーパーの為、バイクで行ったのですがその姿を見て猟師先生「あんた、変わっちょるね~。」と一言。

挨拶をしてから猟犬を軽く散歩させている時も、猟師先生「ホンマにあんたが猟をするんか?旦那じゃないんか?」と何度も聞いてくる。そして「あんた、変わっちょるね~」と一言。車の中でも、なぜ猟師になりたいと思ったのかなど、質問責めだったようです。

車に揺られて10分程度、猟場の入り口到着。犬5匹と一緒に山登りです。

しかしそこはハイキングと違い、いきなり道の無い急斜面。獣道をたどって行って、獲物を探すのだそうです。犬五匹のうち、実働部隊は3匹、残りの2匹は猟犬引退の高齢犬。犬に引っ張られながら急斜面を登り、尾根の頂上付近で犬を放す。所々、イノシシが掘り返した痕跡や寝ていた場所などがあり、鹿のフンやタヌキのためフンというものも見たそうです。時々、猟師先生は犬の動きから弾を銃に込める。「イノシシか?!」と嫁はワクワクしたらしいが、結局獲物は現れず。

3キロ程度、尾根を歩いて猟師先生と昼食を食べて下山。猟師先生の想像以上に嫁は山を歩けた様で「95点やね」と高得点をもらったようです。そして先生と別れて自宅へ帰ったら、電話が鳴る。「イノシシ捕ったで~来るか~?」 嫁「すぐ行きます!」

猟師先生は嫁と別れた後、犬の散歩がてら別の山へ行ったそうです。そこで犬を放したら、イノシシを犬が見つけて格闘をはじめ、そこを鉄砲で仕留めたそうです。

 

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60kgを越える大物だそうです。リーダーの犬がイノシシに何メートルも飛ばされたそうです。猟師先生は犬が死んだと思ったそうです。

夕方に仕留めた為、猟師先生「解体に最後まで付き合うと遅くなるが、旦那は大丈夫か?」と心配してくれたそうですが、「あ、ぜんぜん平気です。」と嫁。

イノシシの搬送をして、神様にお供えする為に耳を切って、熱湯をかけて毛をむしって、ナイフのようなものでジョリジョリしたそうです。

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その後はご想像におまかせしますが、解体を臆することなく手伝う嫁に「あんた、やっぱり変わっちょるね~。」と猟師先生。

私はお魚さんですら本当は殺すのが嫌なのに、イノシシを撃つとか、解体とか怖いのに嫁はどうも平気な様です。

夜7時頃に帰ってきた嫁は「イノシシ臭と煙臭いかも~」とご機嫌。手伝いをした報酬にイノシシ肉の一番うまいアバラの部分をもらってきていました。肉をもらえると思わなかった嫁ご満悦。ビニール袋に入れてはいますが普通にリュックに入れて背負ってきていました。

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猟に同行した話を語り出したら止まらない。タヌキのためフンやら犬の話やら、捕ったイノシシはメスで良く肥えていた。肥えていた理由はここでは書きませんが、解体の結構生々しい話などをしてくれました。やっぱり私は猟はしません。食べる専門でいいです。

嫁は鉄砲の所持許可がまだなようで、残念ですが今年度の猟期には間に合わないようです。しかし「クレー射撃をして腕を磨くんだ!!」と息巻いています。

イノシシ肉は一晩吊るした後、塩焼きと角煮にして食べました。脂があっさりしていて獣臭がしなく、とても美味しかったです。