勝秀鍛冶屋見習いと、その嫁

高知県四万十町で鍛冶屋の見習いになった。嫁は狩猟や炭焼きを始めた。

先代勝秀の作

こんにちは、四万十町地域おこし協力隊、勝秀鍛冶屋見習いの菊池です。

 

修理として持ってきて頂いた中に、先代が作ったものが戻ってくることがあります。

鉈はよくあるのですが、先日は釿(ちょうな)と柄鎌(えがま)の研ぎ直しがありました。

先代が作ったものですので50年ほど前のものでしょうか?

当時と今では使用頻度は減っているでしょうが、良いものは何年経っても研げば使えます。鍛冶屋としては少し複雑な気もします。

 

これはちょうなと呼びますが一般的には斧です。

型も地域によって違いがある様ですがこれは土佐の型だそうです。鋼はもちろん割り込み、「勝秀」の銘も切ってあります。

柄の入る部分「ヒツ」もまっすぐに抜いています。

f:id:kajiya40010:20170215220427j:plain

なかなか激しく使っているようですが刃のねじれや大きなカケは無く、少し研いでまた使えるようになりました。

今後の自分の為に寸法をメモしています。

f:id:kajiya40010:20170215220444j:plain

続いて柄鎌です。

私はこの時に初めて、先代は柄鎌も作っていたことを知りました。

「親父はワシとは違い、一流の鍛冶屋だった。」としみじみと語る師匠。

今はヒツを溶接でくっつける作り方が主流ですがこれは曲げてヒツ穴を抜いています。

先端に二段の突起の付いた「ふたつめ」という型で炭焼きに使われていたそうです。

f:id:kajiya40010:20170215222145j:plain

 

山林に囲まれた土地にあり、山の道具を得意としていた勝秀鍛冶屋。

師匠もちょうなと柄鎌はだいぶ作った様で、ぜひ作り方を今度見せてもらいたいとお願いしました。

今は時代遅れの作り方かもしれませんが、私も昔の作り方で山の道具を作りたいです。

 

【鉈の勝秀】

勝秀鍛冶屋
〒786-0504
高知県高岡郡四万十町十川233-2

TEL 0880-28-5429