こんにちは、勝秀鍛冶屋の菊池です。
私が鍛冶屋を志、4年経ちますが一番若いお客さんからのご注文です。
小学生の男の子です。
注文は腰ナタで、「おれが使うくらいの大きさ」。
子供がナタなんて危ないわよ!やめなさい。
と思う大人が大半だとは思いますが、この男の子のお母さんとお父さんは賛成の様子。
どうやらお年玉を貯めてまで鉈が欲しいそうです。
師匠と相談し5寸~5.5寸程で扱いやすい両刃の半オタフク型の制作を始めました。
師匠が「ヨシ作るぞ!」とその子に伝えてから毎日、毎日見に来ます。
目をキラキラさせながら。
毎日来るものだから本当は同じ工程を10丁程まとめて進めるのですが、特別にそのナタを優先に進めていきました。
そして完成品がこれです。
もちろん作りは大人用とすべて同じ。厚さも柄も鞘も。
ここで子供が持つものだから~と、余計に軽く作ったり木材を変えたりは手抜きと一緒。子供に失礼。
鞘も、
バランスも、刃の研ぎも、
柄も。
そして完成の日、鍛冶屋の前の坂をダッシュで上ってきて、顔に出てるよ嬉しさが!
軽く使い方や決まりごとを伝えて「明日お金持ってくる!」と言ってまたダッシュで帰っていきました。
そりゃあ大人が当たり前に使っている道具なんだから子供も使いたいよね。
しかも刃物なんて子供でもカッコイイって思うよね。分かるよ。
だから大人と同じクオリティで値段も同じ…、と言いたいところだけど師匠が大まけしました。
そこは、【子供】だから。
【鉈の勝秀】
勝秀鍛冶屋(松村)