勝秀鍛冶屋見習いと、その嫁

高知県四万十町で鍛冶屋の見習いになった。嫁は狩猟や炭焼きを始めた。

勝秀鍛冶屋史上、最高の細さ!

こんにちは「その嫁」です。

炭窯の話はちょっとお待ちを。

その前に、

持ち込まれた鉈のお話。

 

研ぎ直しの依頼です。

鞘から抜いてみると?!

  ほっそ!!  カミソリ?ヒゲ剃り?

「鍛冶屋見習い」コレで髭を剃ってみろ。
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勝秀鍛冶屋史上、最高の細さです。
初代勝秀鍛冶屋の鉈です。

 

同じ勝秀鍛冶屋(三代目)の鉈と比較してみよう〜

極細の鉈はもともとは

上の鉈位、幅が有ったのです。
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コレだけあった幅が使っては研いで…を繰り返すと
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ここまで細くなるのです。

何年使ったらここまで細くなるのだ?

よく見ると、鉈の幅に合わせて輪っかも作り直していて、そこから更に使って研いで

鉈の元の角が無くなっています。
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ここまで幅が狭くなっても、勝秀鍛冶屋の鉈は

まだまだ使える。
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裏を見て〜
刃の色が微妙に違うのです。

2色に別れているのですが、下の刃の部分が鋼。

峰側が鉄。

鋼の色が有るところまで使えるのです。f:id:kajiya40010:20230505094602j:image
研いだらまだ使える。

初代の銘(土州勝秀)も残っています。
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ここまで細くなるには、何十年も使っていないとこうなりません。

二代目のオンチャン(師匠)が85歳位だろ?

そのお父さんが作った物だから

ざっと50年以上は経っている。

 

ここまで使ってもらえると、鍛冶屋冥利に尽きる。

勝秀鍛冶屋の鉈は、大事に使えば買った本人よりも長生きする。

コレ本当です。

ここまで使ってもらえる鍛冶屋になるべよ。

 

うん、良い鉈を見させてもらいました。

 

 

おしまい